こんにちは、イオンタウン浜松新橋内にある浜松プライマリ歯科です。
子どもの矯正治療を終えると、整った歯並びを見て「これで治療が完了」と感じる方も多いでしょう。ですが、実は矯正治療は装置を外して終わりではありません。歯をきれいに並べた後には、その歯並びを安定させるための「保定期間」が欠かせないのです。ここをおろそかにすると、せっかく整えた歯が再び動いてしまうこともあります。
今回は、この保定期間とは何か、そしてなぜ大切なのかを詳しく解説します。
_______________________________________________________________
保定期間とは？
_______________________________________________________________
矯正治療によって歯はきれいに並びますが、実はその直後の状態はまだとても不安定です。歯はあごの骨の中で支えられていますが、歯を動かす治療の過程で、骨や歯ぐき、周囲の筋肉のバランスも変化しています。矯正装置を外したばかりの時期は、歯を支える骨がまだしっかりと固まっておらず、周囲の組織も新しい位置に慣れていません。そのため、何もしなければ歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすいのです。この「歯並びを安定させ、後戻りを防ぐための期間」が保定期間です。矯正治療後は、一定の期間、歯を理想的な位置に保ち続けることで、歯や骨、筋肉が新しいバランスを覚え、安定した歯並びを長く維持できるようになります。
_______________________________________________________________
なぜ保定期間が大切なのか
_______________________________________________________________
矯正治療によって動いた歯は、骨の再生と吸収を繰り返しながら新しい位置に落ち着きます。このとき、周囲の組織が完全に安定するまでには時間がかかります。特に子どもの場合は、成長の途中にあるため、歯やあごの形がまだ変化しやすい状態です。そのため、大人以上に保定期間の管理が重要になります。
保定期間が不十分だと、歯が少しずつ元の方向に動いたり、噛み合わせがずれてきたりすることがあります。これを「後戻り」といい、せっかくの治療成果が失われてしまう原因となります。後戻りは本人の自覚が少ないまま進むことも多く、数年後に「歯並びがまたガタガタしてきた」と気づくケースも少なくありません。
また、保定期間は単に歯を動かさないためだけではなく、噛み合わせや筋肉の使い方を整えるための大切な時間でもあります。歯並びが変わると、舌の位置や唇の動き、噛むときの力のかかり方も少しずつ変化します。これらが新しい歯並びに順応するまで、しばらく時間が必要です。保定期間をしっかり取ることで、歯とあご、筋肉が調和し、長期的に安定した噛み合わせを保つことができるのです。
_______________________________________________________________
子どもの成長期は特に注意が必要
_______________________________________________________________
子どもの矯正治療は、あごの成長を利用しながら進めることが多いため、治療後も成長によって歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。たとえば、永久歯がすべて生えそろうまでの間にあごの骨の成長が続くことで、歯の位置関係が少しずつ変わってしまうことがあります。そのため、成長が落ち着くまでの数年間は保定が欠かせません。
また、口呼吸や頬杖、舌で歯を押すなどの習慣があると、矯正後の歯並びが崩れやすくなります。保定期間中にこのようなクセを改善していくことも、安定した結果を得るために大切なステップです。
_______________________________________________________________
保定期間中の過ごし方と通院の大切さ
_______________________________________________________________
保定期間中は、歯科医院での定期的なチェックが非常に重要です。見た目にはきれいに整っていても、少しずつ歯が動いていたり、噛み合わせが変わっていたりすることがあります。定期的に歯並びの状態を確認し、必要に応じて調整を行うことで、後戻りを最小限に抑えることができます。
また、矯正治療を終えた安心感から歯みがきが疎かになってしまうこともありますが、保定期間中もむし歯や歯肉炎のリスクは変わりません。歯並びを維持するには、毎日の丁寧なブラッシングと定期的なクリーニングが欠かせません。
_______________________________________________________________
まとめ
______________________________________________________________
子どもの矯正治療は、歯並びを整えるだけでなく、その後の安定が何より大切です。歯が動いたあとは、骨や筋肉が新しい状態に慣れるまで時間がかかります。保定期間をきちんと過ごすことで、将来にわたってきれいな歯並びと正しい噛み合わせを維持することができます。お子さまのがんばりを無駄にしないためにも、保定期間を大切にし、歯科医院と二人三脚でサポートしていきましょう。
子ども受け口を改善する矯正装置「ムーシールド」については、こちらのブログ記事もご参照ください。
当院では、小さなお子さん連れの方も安心して治療を受けられるよう、ベビーカーのまま診療室に入れる環境を整えています。治療中もお子さんと同室で過ごせるため、目の届く範囲で安心して治療を受けられます。
当院の小児歯科に関する詳細はこちら▼
https://hamamatsu-primary-dental.jp/pediatric_ortho/